人気ブログランキング |

エレベーターボーイ

ある日、エレベーターに乗ろうと待っていたら、後ろから待つ人達をかき分けて、すごい勢いで1人の男性が現れました。

「乗るんだから、僕が乗るんだからね・・・・」




あ、この人、なんか あかん人や。
と私の『なんか あかん人アンテナ』が作動したので、このエレベーターは見送ろうと思いました。


エレベーターが到着すると、その男性はドアが開ききらないうちに自らの身体をエレベーターの中にねじり込みました。



周りの人達もドン引き。
皆、恐る恐るエレベーターへと乗り込みましたが、やはり彼の周りには若干のスペースがありました。




私は、そのエレベーターは見送る気満々だったので乗らずにいましたが、
その男性がいきなり叫んだのです。






「あと1人!!あと1人乗れるよ!!乗せてあげるから、そんなに遠慮しないで!!乗せてあげるんだから!!」







・・・・乗りたくねぇ。






「はやく!!乗れるんだから!!乗せてあげるから!!」


あきらかに、なんか あかん人は、私に向かって言っています。
どうしよう。
嫌だ。
巻き込まれたくない。

しかし、彼はエレベーターを締める気は無い様子で、私が乗り込まないといけない雰囲気がバンバンに伝わってきました。




手招きする、なんか あかんエレベーターボーイ。






捕虜の様な目で私が乗り込むのを待つ人達。





私は、勇気を振り絞って乗り込みました。
その 若干空いたエレベーターボーイの横の空間に。


すると、エレベーターボーイは、
「もう〜、ちゃんと乗せてあげるんだから。ちゃんと乗せてあげるんだから。」
と、ブツブツと独り言を言っていました。



そして、すごく大きな声で、
「乗れて良かったねっっ!!!」
と、私に言いました。





私には、思いっきりその声は聞こえていましたが無視をしました。
イヤホンをしていたので聞こえないふりをしたのです。
そこで、彼に答えてしまい関わってしまうと、恐ろしい何かに巻き込まれそうなそんな恐怖の本能が作動したのです。



エレベーターが到着すると、彼は何も言わずに また開ききらないドアを自らの身体でこじ開けて一目散に出て行きました。











私は帰りにぼんやりと考えながら歩いていました。
私は何故、彼が乗るエレベーターに乗りたく無いと思ったのだろうか。

厚意でドアを開けて待っていてくれた彼に何故、恐怖を感じたのだろうか。

「乗れて良かったねっっ!!」の言葉を何故無視してしまったのだろうか。

私は何故、彼と関わる事を拒絶したのだろうか。






まだ、私の中には固定概念とか差別的な感情が山の様に残っているんだ。言葉や表面的には綺麗事を言っていても、私の心の中にはヘドロの様なドロドロとした黒い何か汚いものがそんなものが残っているんだ。
そんな自分の心の貧しさを思い知った日でした。

c0177527_22563599.jpg

by kagawaarata | 2015-06-16 22:44 | Life